寄付者インタビュー
オリンピックに沸くはずだった2020年。青山学院も新型コロナウイルスの大きな影響を受けました。
コロナ禍で不安な在校生たちへの応援メッセージも含め、力強く暖かいメッセージを頂戴しました。
「コロナだからこそ」自分を見失わず
-今回「コロナ募金」にご寄付をいただきましたが、どのような思いでご支援くださいましたか?
コロナ禍により、本来ならば学校生活で当たり前であったものが全て制約を受け、人生の大切な時期に悩み苦しんでいる学生、生徒がたくさんいらっしゃると思います。また、学生、生徒に、人生で最も大切なもののひとつである「学び」の機会を継続するために、ネットを活用した学習など、さまざまな努力をしていただいている様子を保護者として肌で感じておりました。悩み苦しんでいる学生のことを思うと胸が痛くなる状況の中で、偶然に「コロナ募金」を青山学院のウェブサイトで見つけ、寄付をさせていただきました。
-コロナ禍で学生・生徒は通常と異なる環境での学生生活を送っており、先が見えない不安の中にいることと思われます。そのような中で、それぞれ頑張っている 在校生に応援メッセージをお願いいたします。
コロナで奪われた大切な青春の1ページ、本当に悔しいでしょう。でもネガティブになっているだけでは、残念なコロナの日々がただ過ぎていくだけです。少しでも気持ちをポジティブに切り替えていきましょう!このコロナ禍では、「コロナのせいで後ろ向きな人」「コロナだけど前向きに頑張る人」など、それぞれいらっしゃると思います。時間の使い方や生活様式が大きく変わった生活、そしてそれが長期化している状況では前者か後者かで、その人の成長に大きな差がつくと思います。「コロナだからこそ」自分を見失わず、あらゆることに目標を持って取り組んで頂き、ポジティブに成長の機会と捉えて頑張って欲しいです。
-ご自身は 新型コロナウイルスの影響で、お仕事や普段の生活に大きな変化はありましたか?もし、ご自身がコロナ禍で大学生だったとしたらどうしていたと思いますか?
私の働くGMOインターネットグループでは、パートナー(社員)、そのご家族の安全を第一に、1月27日から在宅勤務に切り替え、リモートワークをスタートしました。会社の仲間や、お取引先さまとも、オンラインツールを使ってのコミュニケーションがメインになりました。
私の学生時代は、今のようにインターネットやスマートフォンが普及していなかったので、もしその時に新型コロナウイルスの影響を受けていたら、どうなっていたのか想像することもできません。感染状況はテレビや新聞を通してしか知ることができず、どう対策したら良いかを調べる手段もありませんでしたし、友だちとのコミュニケーションも途絶えてしまうと思うとゾッとします。過去と現在を比較した場合、インターネットが、パンデミックの状況下で救いの存在であるのだと改めて思います。
-設置学校の中でも特に通学が制限されている 大学生にむけて 、インターネット関連企業 の安田様ならではのインターネットを利用した「今だからこそ!」のおすすめの学習方法がありましたら教えていただけますか?
今の学生はITリテラシーが高いので、皆さん既にに色々工夫されているかと思います。ただ、改めて今のコロナ禍において、留学などをはじめとして海外に行く機会がなくなってしまったので、語学学習についてのモチベーション維持も重要になるかなと思います。我が家の娘たちに負けないように、最近私も英語学習を再度ブラッシュアップしているのですが、今はAIを使ったスピーキングテストやリスニング力を強化するアプリなども多く、さらにオンライン英会話などをうまく活用すれば日本にいながらでもかなり英語力が強化できるのではないかと思いました。また英語に限らずオンライン授業やオンライン学習は教える側のコンテンツの質がオフラインよりも浮き彫りになるので、教える側、教わる側のお互いに良い緊張感が生まれるのではないかと思います。私たち企業側も、コロナ禍での社会のデジタルトランスフォーメーション化を推進するために頑張っていきたいと思いますので、ぜひ環境に負けずに、夢の実現に向けて一緒に歩んでいきましょう。
例年は学生があふれる春のキャンパスですが、2020年は新型コロナウイルスの影響による学院閉鎖のためひっそりと静まっていました。(右端)
教育は子どもたちに対する投資―「日本一の小学校」と評される初等部の歴史を紡いでいきたい
-初等部後援会会長のお立場としての想い、その他伝えたいことがありましたらお聞かせいただけますか?
娘が青山学院にご縁を頂いて、保護者の私自身もよく渋谷キャンパスに通うようになりました。私自身は青山学院の出身ではありませんが、長年の保護者生活を通じて、青山学院に対する思いは出身の方並み以上にあると思います。箱根駅伝ももちろん自身の出身校より青山学院を一番応援しております(笑)。
青山学院の良さは、本当にたくさんあるのですが、それらの本質をつきつめていくと、やはりキリスト教教育と一貫教育という点になるのかと思います。また一貫教育の中でも幼稚園から大学までに進学する中で、内部進学者と外部進学者がそれぞれにうまく融合していくところなどは、やはりキリスト教教育の良さの表れではないかと思います。保護者の立場になって強く思うことは、教育は子どもたちに対する投資であり、経済的なもののみならず、当事者の熱意と時間が必要だということです。青山学院初等部ほど教職員と保護者の方々の愛と熱意に溢れ、その時間とエネルギーをかけている小学校はないと思います。日々の学校での生活のみならず、多くの宿泊行事やボランティア活動などがそれを証明しています。そして、初等部後援会活動を通じてわかったことが、「日本一の小学校」と一部の方から評される初等部の歴史が、教職員の方々と保護者といういわば「車の両輪」で築き上げられてきたことです。コロナ禍で様々な制約がありますが、この歴史をしっかり紡いでいきたいと思います。
初等部宿泊行事「洋上小学校」
船内活動、寄港地などでの活動を通して、海への畏敬の念、様々な人や文化遺産・自然との出会い、人との関わりの大切さを学ぶ、伝統ある行事です。
-保護者の方からその様な想いを聞けるのは大変心強いです。私たち学院連携本部もより良い教育を提供できる様に日々、試行錯誤しております。その大きな柱として、青山学院の今後の発展のためには皆さまからの寄付のご協力が必須だと考えておりますが、諸外国に比べて、日本には寄付の文化があまり根付いていないといわれています。多くの方に寄付を身近に感じていただき、ご協力いただくにはどのような取り組みが必要だと思われますか?
日本において寄付文化が根付いていないのは諸外国との比較でも明らかなようです。原因は、宗教、税制、ファンドレイジングの弱さなど色々分析されていますが、私自身もこれは本当に難しいテーマと感じています。困っている人を助けたい、とか関わるコミュニティをもっと豊かにしたい、という思いは誰にもあると思います。個人的にはそういう思いにダイレクトに訴求できる仕組みが必要なのではないかと思います。
一方で、クラウドファンディングのように、リターンが明確な、自分が欲しいモノ、応援したいプロジェクトに対して少額でも投資する・寄付するという取組みは、根付きつつありますので、このような世の中の流れもうまく活用できれば良いのではないかと思います。
初等部礼拝堂とクリスマス讃美礼拝の様子(左・中央)。中等部の礼拝堂(右)は皆様からのご寄付のご協力によって2019年に完成しました。
スクール・モットーである「地の塩、世の光」という言葉が、私も大好きです。
-最後に、これからの青山学院へ期待することをお聞かせいただけますか?
青山学院のスクール・モットーである「地の塩、世の光」という言葉が、私も大好きです。そしてこのスクール・モットーを体現したサーバント・リーダーという人物像はビジネスにおいても私が尊敬するリーダー像、そして自分自身が目指すリーダー像と、やはり一致しています。情報化社会が進み、社会構造自体がフラットでかつスピードが求められる中で、より多くのサーバント・リーダーが求められることと思います。多くの青山学院に学んだ方がサーバント・リーダーとして活躍頂けることを期待しております。