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2017年度「笑いの芸術 狂言の世界」

2017年度
「笑いの芸術 狂言の世界」

『型が伝える日本の心「笑いの芸術 狂言の世界」』開催報告

 10月28日(土)本多記念国際会議場において、「笑いの芸術 狂言の世界」と題し、狂言和泉流ニ十世宗家和泉元彌氏(本大学文学部日本文学科卒)による募金イベントが行われ、230名の皆様にご来場いただきました。
 舞台は和泉元彌さんが自ら陣頭指揮をとり、本格的な能舞台が完成しました。はじめに和泉元彌さんによる狂言の歴史や特徴など狂言の魅力について解説がありました。その後、「狂言小舞」と「棒縛」が上演され、共に演じた女性初の狂言師和泉淳子さん、十世三宅藤九郎さん(本大学法学部卒)をはじめ、和泉元聖さん、和泉和秀さん、和泉慶子さんら宗家一門の皆様に、会場から笑いや盛大な拍手が沸き起こりました。

和泉元彌さんインタビュー

--母校での公演を終えたご感想はいかがでしょうか。

<和泉> 恩師や堀田宣彌理事長をはじめ青山学院の皆様に恩返しができて、嬉しい気持ちでいっぱいです。「狂言を知っている方は?」と聞いた時に、あれだけ多くの方々から手が上がる会場はないんですね。このような大役をいただき、とても緊張しましたが、校友として、見守っていただいているような普段にはない温かい舞台空間でした。

--海外でも意欲的に日本の伝統芸能を伝えられていますが、まさに青山学院が目指すグローバル・リーダーとしてご活躍されていますね。

<和泉> 世界を知ることやコミュニケーションのためのツールは大切だと思いますが、グローバルな時代だからこそ自分たちを知らなければいけないと思います。私の場合は、日本の伝統芸能を今の時代に守り伝えていくことです。
 他人が持っていない自分らしさ、特性があるからこそ、自身が持てるのです。そして、自分ひとりで何でも解決するのではなく、周囲の人とそれぞれの特性・能力を活かし合って互いに歩むというグローバルな視野を持つことが必要だと実感しています。

--学生時代の思い出をお聞かせください。

<和泉> 青山学院はキリスト教の学校でありながら、誰にでも門戸を開いてくれる素晴らしい学校です。私にとって、自分自身の物差しを作る学生時代に視野を広げられる恵まれた環境でした。人格的に素晴らしい先生もたくさんいました。在学生の皆さんは、社会や世界に出た時、自信を持って人と相対していける基礎作り、誇りを持つためにも、先生方から何でも聞いていろいろなことを吸収してほしいと思います。

--これからの抱負をお聞かせください。

<和泉> 21歳の時に亡くなった父が「生存・伝承・普及」という三本柱を掲げていました。今生きた形で舞台を見ていただけるように日々努力し精進を重ねていて、後進の育成も大事なことだと考えています。そして、これが今の時代で終わるのではなく、先人が600年伝えてきた伝統をこれからも伝承していくことが私の大きな役目だと思っています。

和泉元彌 氏プロフィール

1974年生まれ。和泉流十九世宗家和泉元秀の嫡男。
祖父は人間国宝九世三宅藤九郎。
青山学院校友(幼稚園から大学まで)。3歳で初舞台を踏む。