TOP

被災地を覚える祈り会開催中止のお知らせ

EVENT

SCHEDULED

2020.01.15

TITLE

2020.03.11開催
被災地を覚える祈り会開催中止のお知らせ

CATEGORY

被災地を覚える祈り会

 青山学院「被災地を覚える祈り会」中止のお知らせ

 3月11日(水)12時から予定されていました「被災地を覚える祈り会」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大予防のために中止いたします。ご理解くださいますようにお願いいたします。
 なお、東日本大震災を覚えて、3月11日にそれぞれの場で祈りを捧げるために、後日、祈り会のために準備された聖書箇所、連祷の文書、またメッセージをホームページ等に掲載いたしますので、各自で参考にして下さり、祈りを合わせていただければ幸いです。

                       2020年3月2日  青山学院宗教センター

メッセージ
高等部宗教主任     山元 克之

 「地獄の食卓、天国の食卓」という話を聞いたことがあります。
目を覚ましたら丸いテーブルの椅子に座っていた。そのテーブルにはすでに地上での命を終えた人が、10人ほどいた。そこには大変豪華な食事が並んでいた。ただ、生きていた時と大きく違うのは、お箸がものすごく長いことだった。地獄の食卓では、みんな必死になって、自分の箸で自分の前にある食事を口に箸を運ぼうとするのだが、箸があまりにも長いので口に運ぶことができず、結局誰一人食事を一口も食べることがでなくて、空腹のままだった。天国の食卓はというと、その自分の長い箸で、向かい側の人の食べ物をとり、向かい側の人の口に運ぶという仕方で、皆が豪華な食事を楽しんでいた。誰一人、余すことなく、互いに助け合いながら全てを食べきった。そのような話です
 2020年3月11日。今、日本では、マスクがなくなり、トイレットペーパーが店頭からなくなっていると聞きます。朝早くのバスの窓から外を見るとドラッグストアの前に長い列ができています。今から9年前のあの日も、同じ光景がありました。わずかなものを奪い合う姿です。日本に住む私たちの、今、目の前にある食卓はどのような食卓なのでしょう。
 被災地を覚える祈り会の日を今年も迎えています。今年は、この9年間被災地を覚えて祈ってきた私たちが、今の状況をどの様に生きるかということを神から問われているように思います。
「小さな群れよ、恐れるな」と主イエスはお語りになります。小さいことを恐れる時に私たちは奪い合います。自分の持っているものを人に分け与えなくなります。小さいことと向き合い、自分のこととして受け止める時、私たちはドラッグストアの前に並ぶ人の不安を理解し、共に担うことができるのだと思います。
キリストのご受難を覚えるレントを過ごしています。主イエス・キリストは誰よりも小さくなられて、小さいことに不安を覚え恐れる私たちに寄り添い、「恐れなくてよいのだ」とお語りくださいます。東日本大震災が発生したその夜。小高い丘より、津波にのまれた自分の町を多くの人が見ていたその時、一人の小さな子どもが差し出した、わずかな食料が、少しずつ、その場にいた人に配られた。そこに居合わせた一人の牧師が、2匹の魚と5つのパンを五千人に配った主イエスの奇跡を思い出したと話してくれました。そのような「絆」と呼ばれる弱いものたちの繋がりが生み出す強さを、私たちはあらゆる場所で目撃しました。
主イエスは「あなた方の父は喜んで神の国をくださる」と続けて語られます。小さくなられた主イエスと共に囲む神の国の食卓が、今日も私たちの目の前に用意されています。

旧 約 聖 書

申命記7章6-11節

6あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地の面にいるすべての民の中からあなたを選び、御自分の宝の民とされた。

7主が心引かれてあなたたちを選ばれたのは、あなたたちが他のどの民よりも数が多かったからではない。あなたたちは他のどの民よりも貧弱であった。

8ただ、あなたに対する主の愛のゆえに、あなたたちの先祖に誓われた誓いを守られたゆえに、主は力ある御手をもってあなたたちを導き出し、エジプトの王、ファラオが支配する奴隷の家から救い出されたのである。

9あなたは知らねばならない。あなたの神、主が神であり、信頼すべき神であることを。この方は、御自分を愛し、その戒めを守る者には千代にわたって契約を守り、慈しみを注がれるが、

10御自分を否む者にはめいめいに報いて滅ぼされる。主は、御自分を否む者には、ためらうことなくめいめいに報いられる。

11あなたは、今日わたしが、「行え」と命じた戒めと掟と法を守らねばならない。

新 約 聖 書

ルカによる福音書 第12章22-34節

22それから、イエスは弟子たちに言われた。「だから、言っておく。命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな。

23命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切だ。

24烏のことを考えてみなさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、納屋も倉も持たない。だが、神は烏を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりもどれほど価値があることか。

25あなたがたのうちのだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。

26こんなごく小さな事さえできないのに、なぜ、ほかの事まで思い悩むのか。

27野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。

28今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。信仰の薄い者たちよ。

29あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。

30それはみな、世の異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの父は、これらのものがあなたがたに必要なことをご存じである。

31ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる。

32小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる。

33自分の持ち物を売り払って施しなさい。擦り切れることのない財布を作り、尽きることのない富を天に積みなさい。そこは、盗人も近寄らず、虫も食い荒らさない。

34あなたがたの富のあるところに、あなたがたの心もあるのだ。」

連祷
(A:司会者  B:会衆  C:全員で共に)

A.天の父なる神さま、
2011年3月11日、午後2時46分のできごとを覚えて、わたしたちはここに集いました。

B.わたしたちは、祈るために集められました。

C. 神よ、わたしたちの口を開いてください。

A. あの3月11日、私たちは祈りのことばを失っていました。しかし、世界の人々が祈ってくれました。
「わたしたちは日本の皆さんと共にいる。」 
「わたしは日本のために祈る」 
そのように各地から祈りの言葉が届きました。
祈れない時に、代わりに祈ってくれる人が遠く離れて、知らない場所にいてくれたのです。

B. わたしたちも、今、ここに祈るために立っております。
しかし、祈りのことばを失うほどのできごとが、現在も各地に起きています。
キリストよ、あわれんでください。

A. 神よ、今日も、祈ることのできない苦しい状況にある人たちのことを思います。2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振(いぶり)東部地震、2019年の台風19号、その他、数えきれない災害の数々。さらに2011年の福島第一原子力発電所事故のように長く重く続くできごとがあります。

B. わたしたちは泣いている人と「共に泣く」ことができるようにと願います。
しかし涙さえ流すこともできないほどに、心をしめつけられている方々が、
なんと大勢いることでしょう。キリストよ、あわれんでください。

A. キリストは「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」と宣言されます。
ぽっかりとむなしさの空いた心を抱え、孤独に沈む人々のために祈ります。

B. キリストよ、あわれんでください。

C. キリストよ、あわれんでください。

A. 神よ、わたしたちを祝福し、悲しみと苦しみに揺れ動くこの世に遣わしてください。

B. 聖霊の助けにより、わたしたちを地の塩、世の光として送り出してください。

C. 真理であり、道であり、光であるイエス・キリストの御名によって、この祈りをおささげいたします。

2020年3月11日

CONTACT

お問い合わせ先

  • お問い合わせ先

    青山学院宗教センター

  • TEL

    03-3409-6537

  • 受付時間

    平日9:00~19:00 土曜日9:00~15:00