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終戦から80年にあたり 山本与志春院長メッセージ  

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2025.08.15

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終戦から80年にあたり 山本与志春院長メッセージ  

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過ちは繰返しませぬから

広島平和記念公園の原爆死没者慰霊碑には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」との言葉が刻まれています。終戦から80年にあたり、私はこの言葉を胸に青山学院の歩みと使命をあらためて見つめ直します。

第二次世界大戦によって、世界で6,000万人を超える命が失われました。戦場で倒れた人々、空襲や原爆、飢えや病に苦しみながら亡くなった多くの市民、そして戦後も心と体に深い傷を負い続けた人々とその家族。さらに、かけがえのない文化施設や自然もまた、戦火によって破壊されました。その計り知れない喪失を思うとき、あらためて戦争の悲惨さと愚かさを心に刻み、二度と過ちを繰り返してはならないという決意を新たにします。

過ちは繰返しませぬから

広島平和記念公園の原爆死没者慰霊碑には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」との言葉が刻まれています。終戦から80年にあたり、私はこの言葉を胸に青山学院の歩みと使命をあらためて見つめ直します。

第二次世界大戦によって、世界で6,000万人を超える命が失われました。戦場で倒れた人々、空襲や原爆、飢えや病に苦しみながら亡くなった多くの市民、そして戦後も心と体に深い傷を負い続けた人々とその家族。さらに、かけがえのない文化施設や自然もまた、戦火によって破壊されました。その計り知れない喪失を思うとき、あらためて戦争の悲惨さと愚かさを心に刻み、二度と過ちを繰り返してはならないという決意を新たにします。

青山学院は、戦時下において平和の福音を語るべき場で沈黙し、国家の方針に追従し、時に戦意高揚に加担し学生を学院から戦場へと送り出した、悲しむべき歴史があります。「キリスト教信仰に基づく教育を行う」という建学の精神を十分に貫くことができなかったことに、私はキリスト者として、教育者として、慙愧に堪えません。戦争によって命を奪われた人々とそのご家族に、そして日本が加害した国や地域の人々に、深い悲しみを覚え、過去の過ちを悔い、心から謝罪いたします。

平和に生きるためには、互いを知ることが欠かせません。無知は不安や恐れを生み、やがて差別や憎悪、敵意、暴力へとつながります。その連鎖を断ち切るためには、顔と顔を合わせ、声を聴き合い、互いの違いを受け入れ、共に時を過ごす交流が必要です。青山学院が大切にしてきた国際交流や地域との関わりは、そのための具体的な歩みです。

しかし現実には、今も世界の各地で戦争が続き、尊い命が奪われています。私たちは、どのような理由があっても互いの命を奪うことや暴力を正当化してはなりません。命を守り、育み、共に生きることは、私たちの大切な使命です。過ちを繰り返さないために、すべての国は「侵略しない」と誓い、その誓いを守り抜かなければなりません。

青山学院が目指す「地の塩、世の光」として生きるサーバント・リーダーとは、他者を思いやる心を持ち、多様な人々と協働し、世界の誰もが安心して暮らせる平和な社会を築くために、自身の力と知恵を進んで用いる人です。終戦から80年、私たちは過去から学び、現在に責任を果たし、希望ある平和な未来を造る使命を託されています。

聖書は、語ります。「平和を造る人々は、幸いである その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイによる福音書第5章 9節)
謝罪と赦し、和解と共生、そこから生まれる信頼の絆こそが、未来を拓く光です。青山学院は、「過ちは繰返しませぬから」という決意を胸に、希望に満ちた平和な世界を拓くサーバント・リーダーの育成に、これからも力を尽くしてまいります。

2025年8月 15日

青山学院院長 山本与志春