青山学院所蔵美術品「歩く鉄」が展覧会「かたちとゆらぎ」に出品
女子短期大学がコレクションした彫刻「歩く鉄」が、展覧会「かたちとゆらぎ」(会期:10月17日~11月30日)に出品されます。同展は、日本大学芸術学部と東京国立博物館の共催による教育連携事業「柳瀬荘アート教育プロジェクト」第10回展として開催され、元日本大学芸術学部美術学科教授・土谷武の名作である本作品が特別展示されることになりました。
女子短期大学は、学生が優れた芸術作品に直に触れる機会を設けるという目的のもと、1970年代後半から彫刻作品の構内設置を始め、1983年の礼拝堂建設にあわせて開設したギャラリーで作家展を開催し、コレクションを進めていきました。そして1989年、芸術学科創設時に参考資料として用意された絵画・彫刻群の一つとして、この「歩く鉄」がコレクションに加わりました。以後、本作品は短大図書館の一角に設置され、空間に緊張感をもたらし、豊かなキャンパス環境の形成を担ってきました。
この展覧会のテーマである「ゆらぎ」は、「彫刻の中に秘められたエネルギーや、作家の意図したメッセージが視覚化されたもの」ということです。本作品が柳瀬荘という環境においてどのように存在するのか、何を表現するのか、従来の設置環境との違いは作品と観る者の関係にどう影響をもたらすのか……。このたびの出品は、彫刻と空間の関係を考える機会になることが期待されます。
柳瀬荘(埼玉県所沢市)は実業家、茶人として名高い松永安左エ門の別荘でしたが、東京国立博物館に寄贈され、通常は週に1回、外観のみ公開されているそうです。本プロジェクト中は建物内部も見学できるとのことですので、ぜひこの貴重な機会に足をお運びください。
趙慶姫 大学コミュニティ人間科学部教授/元女子短期大学芸術学科教授
〈チラシ内訂正情報〉
・「かまど火焚き」イベント開催日の変更
11月7日(木)→ 11月14日(木)
・展覧会会期のうち、曜日の誤り
10月31日(日)→ 10月31日(木)

彫刻「歩く鉄」

展覧会「かたちとゆらぎ」チラシ